ラティクチを諦めるな

れみ(@lemi_irym)の構築記事、随筆、草案など

S23反省


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TN:Sky Striker 最終466位

【構築経緯】

ザシアンに五分をとれ、他の禁伝におおよそ殴り負けないザシアンを軸に構築を考え始めた。ザシアン軸は相手の構築に用意されているザシアン対策をどう掻い潜るかが鍵となる。ザシアン対策は大きく分けて、

①堪える静電気サンダー、化身ボルトなど後出しからザシアンを状態異常で止めるポケモンを用意する

②襷や耐性、素早さでザシアンへの行動保証を持たせたポケモンで対面突破

③天然ヌオーなどのザシアンに後出しから勝てるポケモンを用意する

この3通りであると考えた。①は、これを行ってくるポケモンが構築(および選出)に一匹しかおらず、さらにザシアンと相討ちになることが多いので、こちらのザシアンでそれらを崩したあとにメタモンで相手のザシアン(および禁伝)をコピーすることで全抜きを図れると踏んだ。

②はこちらも対面性能の高いポケモンを用意することでザシアンへの行動保証を奪うか、ザシアンで相打ちを取らせて裏を通すことにした。

③は崩し枠を用意したいところだが、構築に採用できるポケモンの数を考えて②用ポケモンに崩しの要素を入れることで解決することにした。

 

ここまででメタモンザシアンまでは確定していて残り4匹を考える。

まず最も多くマッチングするであろうザシアン軸への選出を想定する。メタモンを出す場合が多くなると予想されるので一匹で性能が完結しているポケモンを探す。(例えばカプ・レヒレは火力が低くサイクルの中でしか真価を発揮しないので今回は該当しない)また、メタモン対策が明白な構築相手にはメタモンを投げられないので、メタモン無しの対ザシアン選出も行えなくてはならない。

以上を満たすザシアンの相方として、ザシアンを止めてくるサンダー、ランドロスなどに強く出られて(①)先制技でザシアンの補助ができる(②)マンムーに注目した。マンムーは③のために珠を持って氷柱落としで怯ませることで破壊力を高めてもらうことにした。

そうするとマンムーはザシアンに無力になってしまうので、マンムーとザシアンを補助しながら自らも破壊に参画できるポケモンがほしい。そういった気持ちから、ザシアン及び様々な襷枠に後投げして電磁波のできる(②)化身ボルトロスを採用した。化身ボルトロスはジャポの実を持たせ、エースバーンやガブリアスの襷を後投げのみで剥がせる他、相手のマンムーに対面から勝てるようにした。また悪巧みを搭載することでホウオウヌオー@1などを破壊(③)できる工夫も施した。

今、メタモンザシアン化身ボルトマンムーまでが決まった。この4匹ではオーガと黒バドに手も足も出ないので、補完はこの二匹に出せるポケモンを選ぶ必要がある。黒バドとオーガ両方に対面から勝てる上で、これらのポケモンの取り巻きが得意とするサイクルを否定できるポケモンであることが望ましいが、苦肉の策でADチョッキウオノラゴンとエッジ持ち襷悪ウーラオスになった。

エラがみは安易なサイクルを許さない火力を持つし、悪ウーラオスはサンダー後投げに対してエッジを撃つことで襷を残したまま突破できる。この二匹は③を満たす火力を出せないため、この二匹を出さざるを得ない場合に突破できないポケモンが存在し、これが構築の弱さに繋がっている。しかし黒バドとオーガに勝つ上で欠かせないポケモンであったため渋々採用している。

 

【個体解説】

メタモン@こだわりスカーフ 変わり者

へんしん

H252(DL調整やS下降補正はサボった)

構築の軸のはずだったがあまり投げなかった。というのも、ザシアン対策は見た目からもわかりやすく、そういった構築には出せない上に対策枠を選出させてボルトザシアンマンムーで崩す方が強かったからだ。それに加え、この構築にはステロの類がないので黒バドのタスキを剥がせずメタモンで詰めにくい。結果、相手に対策枠の選出を強いて選出パワーを落とさせる役割となってしまった。

それでもザシアン対策の薄そうな構築にはeasy winできるし、いわゆる雑魚狩りには非常に適していた。

 

ボルトロス@ジャポのみ 悪戯心

ボルトチェンジ/草結び/電磁波/悪巧み

H132-B252-C108-D4-S12

171-x-134↑-159-101-133(ずぶといB↑A↓)

調整:

HB…特化マンムーの氷柱落とし確定耐え、特化剣の王ザシアンの+1じゃれつく確定耐え

C…+2ボルトチェンジでH252-D4ドヒドイデを高乱数(93.8%)一発

S…準速マンムー抜き

(控えめHBだとマンムーの氷柱が12.5%の乱数になってしまうので図太いBC)

 

 

対面性能に比重を置いた化身ボルトロス

ジャポの実があらゆる襷を剥がし、マンムーを対面突破する。また、相手の確定耐え調整をズラすのにも使え、特に霊獣ランドロスにジャポのダメージを入れてザシアンの一貫を作る動きはよくやった。

当初HB挑発だったが相手の攻撃をHP20-30残して耐えたのに次の先制技を耐えないことが多く、打点の乏しさから置物になることも多かった。また挑発は読まれて裏に引かれると1ターン損してしまう。そこで、過剰な耐久を削り挑発を諦めC振り悪巧みをして全部破壊してもらうことにした。結果イベルドヒドヌオーを完膚なきまでに破壊したり、サンダーを大きく削ったり大活躍だった。悪巧みは相手のボルトチェンジ読み(例:ドヒドイデが対面でボルトチェンジに合わせて自己再生を押し有利対面を作ろうとする動き)を咎めてとんでもないことを巻き起こす。

C振り+ジャポが絶妙にすべてを破壊した。C無振り巧み草結びでトリトドンが落ちなかったときは顎がはずれるかと思ったがC振りによってそんな悲劇はなくなった。C無振りゴツメ時代にぎりぎり足りなくて負ける試合が多かったのでC振りジャポがちょうど全てを倒してくれてよかった。グラードンなどは構築単位で本当にダメな部類だが草結び2回とジャポでだいたい倒せた。

ジャポは地味にヌケニンの処理ルートでもあったし、エースバーンなど本来ゴツメでは削り得ない襷を削れたり優秀なアイテムだった。

 

 

ウオノラゴン@突撃チョッキ 頑丈顎

エラがみ/噛み砕く/流星群/サイコファング

H188-A252-B4-D20-S44

189-156↑-121-81-103-101(意地っ張りA↑C↓)

調整:

A…特化しないと倒せない相手が多すぎるので特化

S…麻痺したムゲンダイナ抜き、無振りバルジーナ抜き

耐久…余りを耐久指数最大

(目安:ステロ+黒バドの眼鏡アストラルビット耐え)

 

オーガに後投げでき、黒バドを取り巻きごと倒せるポケモンとして採用。水ウーラの鉢巻インファイトを耐えながら下からのサイコファングで倒せる他、黒バドに確実に削りを入れられる。

技構成は打点のエラがみ、黒バドへの遂行として噛み砕く、ミラーやゴツメ対策の流星群、ウーラやエースバーン、ダイナに撃つサイコファング。黒バドやオーガの取り巻きに打点を持てるような構成。

当初は火力をやや落として、襷黒バドのアストラルビットを2耐え(=対面突破)できるようにしていたが、ステロなどでその調整が崩されてしまうことと火力のなさが負けに直結する試合が多かったことから火力に特化させた。カイオーガに強いのは良かったが黒バドのストッパー足り得ないのがめちゃくちゃ弱かった。チョッキを持たないと眼鏡オーガに負け、A振りチョッキだと黒バドが怪しく、HDチョッキだとその他のポケモンに勝てず、なかなか良い調整をつくれなかった。構築単位で鬼火が一貫してしまうし、この枠はチョッキアシレーヌなどのほうが強かったかもしれない。

 

マンムー@命の珠 厚い脂肪

氷柱落とし/地震/馬鹿力/氷の礫

A252-D116-S140

185-200↑-100-x-95-118(意地っ張りA↑C↓)

調整:

A…崩すためには足りていないので特化

S…同速に巻き込まれない範囲でサンダーより遅い

D…余り ダイナに勝ってほしいのでD振り、これにより珠ダメ+珠ダイマックス砲などを耐える

 

いわゆる崩し枠で、ダイナ、ドヒド、サンダーなどの突破手段。具体的にはダイナ軸のテッカグヤを怯ませて突破する。実際に怯ませたことは少なかったがヘビボンも地震もそこまで痛くないので対面突破してくれる試合は多かった。

裏にもちゃんと負担をかけないと崩しではなく、その意味で技の一貫を作りやすいマンムーは良い崩しであった。しかし技威力そのものが低いため火力はウーラトス程度なので、珠を持ってもHBドヒドイデを一撃では倒せないなど微妙に足りない場面が目立った。

ザシアン引きを許さないサンダー崩しであり、ザシアンを麻痺させたときに一貫を取りやすいのでザシアン軸にもよく投げた。サンダーマンムー対面ではこちらの珠が割れたあと氷技にザシアンを受けだされるリスクがあるため、下から地震でサンダーの羽休めとザシアン引きを咎められるようサンダーより遅くした。元々AD振り切りだったが麻痺したザシアンや無振りウインディ、遅いレヒレスイクンを抜かないと崩せない場面が頻発したのでSに多めに振った。これでも最低限ダイナと戦えるDを確保できたので調整は合っていた。

馬鹿力は呼ぶポリナットを崩すために入れた。ヌケニンが鬱陶しかったのとウルガモスヒートロトムがやや重かったのとで岩技も入れたかったが、ポリナットで止まってしまっては本来の役割を果たせないので渋々馬鹿力。地味に浮いている相手への安定打点。

礫+ジャポで相手のザシアンをこちらのザシアンの圏内に入れたりできて構築にはこの型がベストだった。実際よく活躍してくれた。

 

ウーラオス(一撃)@気合の襷 不可視の拳

暗黒強打/インファイト/不意打ち/ストーンエッジ

A252-D4-S252

175-200-120-x-81-149

調整:

A…日ネクを倒すために特化

S…できるだけオーガを抜きたかったのでぶっぱ

 

オーガ、黒バド、日ネク対策で最も汎用性が高かった。ストーンエッジによって出来るだけゴツメに触らない工夫ができる。例えば悪ウーラのミラー対面、お互いインファイトが安定なのでゴツメサンダーが裏にいる場合はサンダー引きが安定となる。したがってこちらはストーンエッジが安定で、もし相手のウーラが突っ張ってきたときは襷だと予想されるので襷を剥がしてザシアンに繋げられるという意味ではエッジでもインファでも大差がない。

こいつも日ネクなどを崩すためにA特化しないとネクロの裏のレヒレに集中をかけられない。ガブやヒヒダルマなどザシアン軸で重くなりがちなポケモンに対する明確な回答でありながら重い禁止伝説に対面勝てる優秀な補完枠だった。またストーンエッジがないと原種ファイヤーやホウオウを突破できないのでその意味でもウーラオスおよびストーンエッジは重宝した。

ウーラオスは禁伝以外に対面負けることが少ない。そこでメタモン対策の薄いザシアン軸にはまずウーラを投げ、ザシアンに突破させてメタモンでコピーして全抜きを図ることが出来た。クレセリアの後出しも許さず、対策枠を割いていない微妙なポケモンを全部一網打尽にしてくれた。

 

ザシアン@朽ちた剣 不撓の剣

きょじゅうざん/じゃれつく/剣舞/インファイト

H140-A252-S116

185-244-135-x-135-183

調整:

HB…ザシアンの巨獣斬確定耐え

A…日ネクを剣舞剣舞インファで飛ばすために特化

S…準速ダイナ抜き

 

ちょっと速いHAザシアン。どの禁伝にも強く出られるような調整。ザシアンはHに振るのと振らないのでは大きくサイクル性能が変わる上、過剰にSに振っても高々5割の同速勝負になってしまうので耐久振り、Aは日ネクやミラー意識で特化。かなりのザシアンに上を取られたので、いっそもう少し硬くしてもいいかもしれない。

技構成はミラー打点のきょじゅうざん、サンダーや水タイプなどへの汎用打点となるじゃれつく、日ネクを崩す剣舞インファ。ワイルドボルトを構築単位で切っている立ち回り・選出を多々されたが日ネクに勝つためにはこの構成しかなかった。ワイルドボルトは反動が痛くて耐久調整も崩れてしまう。

 

 

 

 

 

【選出】初手のポケモンが一番左、

ザシアン…

ボルトマンムーザシアン、ボルトザシアンメタモン

ダイナ…ボルトザシアンマンムー

黒バド…ノラゴンウーラザシアン

オーガ…ウーラノラゴンザシアン

ゼルネ…ザシアンボルトメタモン

日ネク…ザシアンウーラマンムー

イベル…マンムーボルトザシアン

その他…ウーラザシアン@1

 

【弱い点】

全員が一度だけサイクルできる程度の耐久なので初手の出し負けによるアドバンテージ差を埋めがたい

物理偏重につき鬼火が一貫しやすい

フェアリーに対面から勝てるのがザシアンしかいない

よくあるポケモンで構成されているがゆえに過剰な読みを(初手からも)通される

 

【反省】

広く対応できるようにポケモンを選んだ結果よくある並びになってしまい、対戦相手に選出の予測やプレイの読みを通されてしまった。したがってこちらも毎試合読まなくてはならず、そうすると毎回択になるので勝率が安定しなかった。プレイングを全て当てれば全てに勝てると言えば聞こえはいいが、逆にプレイを全て当てなくてはならない。プレイの少しのミスも許されない構築になってしまった。いわゆる「構築は強かったが俺が弱かった」状態だが、俺(プレイング)が弱くて負けるような構築はそもそも強くない。構築段階である程度読まなくても勝てるように組むべきだ。それにしても最終日はそこそこ勝てていたので、もっと練習すればもっと勝てていたかもしれない。

最終日の時間の使い方も悪かった。4桁のロムを救おうとして悪戦苦闘した結果救えず、1900のロムを触り始めたのが午前三時だった。ここで一気に駆け上がって200位台にはあがれたものの、氷の牙一発氷負けで負けて萎えてしまったところから立ち直れず大連敗して復帰できなくなった。ここで心が折れて潜る気力を失ってしまった。早めにレートの高いロムを触れていれば休憩して立ち直る時間を取れたが遅すぎた。

 

自分一人で構築を組むことに限界を感じた。他人の意見を取り入れないと見えない何かがあるように思えた。今月はかなりポケモンに時間を割いたしこれ以上の構築は今の所思いつかないが、その自分の最大値が択依存の構築なので、これよりも安定して勝つためには自分一人では莫大な時間がかかってしまうと感じたので、次に真剣に潜るときは同じ軸を使う人を探して相談しながらやろうと思う。