からにこもる、からをやぶる
殻にこもるとは?一般には、自らの世界に閉じこもって外界に対し聞く耳を持たない様を現す慣用句である。殻を破るはその反対で、自分の中に変革がもたらされ、価値観や思考が一新されたような状態・変化を現す言葉だ。ポケモンをやっている人ならそれぞれポケモンの技として認識しただろう。からをやぶるを使いこなす代表的なポケモンといえば〜?もちろんオムスターですよね。
さて、人間、特にオタク気質の人間は誰しも殻にこもりがちなものだ。自分の価値観を大切にしている場合なら問題ないが、他人の意見を全く聞き入れない状態、自分の価値観を意固地に曲げようとしない状態は良くない。自覚がなくとも、自分の積み上げてきた考え方を守ろうと無意識に殻にこもっていることもあるかもしれない。競技を真剣にやるにあたって殻にこもるのは最悪で、大抵はどうしても成長に限界が来る。よほどの天才でない限り、他人のアドバイスや先駆者の知恵を全く借りずに強くなることは叶わない。
私はポケモンのランクバトルでここ一年半ほど全く満足の行く結果が出ていない。対戦を始めて3年ほど経つがまだまだひよっこで、お世辞にも上手なプレイヤーではない。ゲームそのものへの根本的な理解がまるで足りていないのを日々感じる。それにしたって本当に勝てない。いわゆるスランプなのか、成長が頭打ちになっているプラトーなのか、どちらにせよ大きなブレイクスルーが必要だ。殻を破ることが必要不可欠だ。
殻を破るためには己の常識を思いっきり破壊することが大切だ。こんなことしても大丈夫なのか?こんなのあり得るのか?そういう疑問をすべて振り払い、決死の覚悟で大きく飛び出さなくてはならない。殻を破るために、私は何をするべきか?様々な思考を巡らせた後で、一つの挑戦を決意した。
何に挑戦するの?
女装。
それは除草ね。
(以下閲覧注意)
というわけで女装してきました。自分の女装した写真なども載せるつもりなので、そういうのが苦手な方はブラウザバックをお願いします。
【構築経緯】
自分と改めて向き合ったとき、自身の嗜好に違和感を持った。タオルや小物、カードケースなど、なんとなく女性の好きそうなものばかり選んでいる。
昔から好きな色はピンクと水色だし、事実、中1で買った3DSはピンクだ。5歳の頃まで遡ればミルモでポン!にハマってた気がするし、小学生〜中学生の頃は友達から少女漫画を借りて読んでいた。大学生の今、化粧品とか眺めるのめっちゃ好き。あれ、俺、女!?
自身の女性的な感性に違和感を感じていた。これを昇華するために、いつか女装したいな…とボンヤリ過ごしていた。
(3年くらい言い続けてたらしい)
しかし女装は心理的にも物理的にもハードルが高い。化粧道具は肌に触るものもあるので借りるのも憚られ、かといってすべて揃えようとすれば非常に高価だ。プチプラなどで揃えるにしても安くはない。服だって、女性に比べて背が高い自分が友人から借りられる服は限られてくるし、買いに行くのも勇気がいる。そもそもめちゃくちゃお金かけた後に可愛くなれなかったら、自信をなくしてしまうかもしれない。使いたい軸は決まってるのに環境にあんまり合ってないな…の時の、あの感覚。
そんなこんなで願望でしかなかった女装だが、ぼんこふさんの記事を読んで女装サロンなる存在を知った。女装サロンは上で述べた問題をすべて解決してくれる。メイク道具を揃える必要もなく、女装で映えるようにプロがメイクし、服を用意してくれる。女装したい人のための場所なので女装したい気持ちは受け入れられるはずで、心理的にも随分行きやすい。補完枠が軸の問題を解決してくれた。
↓偉大なる先人の記事
https://bonkohu.hatenablog.com/entry/2021/04/30/220412
あとはきっかけだ。一人でもよかったがやはり心細い。誰か一緒に行ってくれる人は…流石にいないよな…
いたわ。
というわけで構築最後の1ピースとして最高の後輩が加わり、女装サロンに突撃した。
【個別紹介】
時系列順。サロンの予約が15:00〜
サロンに入ってからの時間はかなり曖昧です
・13:00
梅田駅に到着。カラコンを買うために早めに梅田についたが、サロンの料金を差し引くと殆どお金を持っていない状態だったので、断念。まあ僕は目デカイしなんとかなるやろ〜
・14:00
後輩と待ち合わせる予定の時刻だが、後輩から30分ほど遅刻してくるという連絡が入っていたため、駅内のカフェで時間をつぶす。めちゃくちゃデュエプレやってしまったが、今思えば服やメイクのことをもっと調べておけばよかった…パーソナルカラーや骨格のこと、それに似合うメイクのことなどの予習をしておけばもっと楽しかったかもしれない。
・14:30
後輩と合流し、サロンへ向かう。予約15時なので14:30集合はとても都合が良かった。なら最初から14:30集合にしろよ、と言われそうだが僕はオタク、特に自分自身をあまり信用していない。誰かが遅れてくることを見越し、早めの集合時刻とした。転ばぬ先の杖。
・14:50
入れ違いで気まずい感じになるのを防ぐためかサロンからは集合時刻ぴったりに来るよう伝えられていた。しかし少し早めに着いてしまったので近くの公園で微妙に時間を潰し、15時ちょうどにチャイムを鳴らした。こういう訪問時の時間調整を世間では来校ステップというらしい。
・15:00
いよいよサロンに入る。内装は綺麗なホテルの一室のように白を基調とした清潔感ある雰囲気で、女性のスタッフ2人が出迎えてくれた。
挨拶をし、案内されたソファに腰掛けて一日の段取りを聞いた。この時点でめちゃくちゃワクワクしてた。
・15:15
まず服を選ばせてもらった。コスプレチックな衣装もあったが、僕は実在する女子大生のようになりたかったので私服っぽいものを選んだ。しかし、"いる"女子になるのも良いが、アニメキャラのような"いない"女子になってみたい気もする。この葛藤を解決してくれたのは地雷系。これは"いない"けど"いる"。
(見えるんだけど見えないもの)
(サワムラーの鳴き声が入ったCDは、"ある"ものなの? ―いや、"ない"よ)
後輩は風野灯織を目指すと意気込んでおり、事実、風野灯織みたいな服を選んでた。
脚を露出してしまうと男性っぽさが見え隠れしてキモいので黒タイツを履いた。普通に黒タイツは良いものだし。
着替えるのはけっこう難儀した。女の子用の服なので、男の自分では肩幅が少しキツかった。また、ワンピースを着たのだが、後ろのチャックを締めるのにめちゃくちゃ時間がかかった。女の子の服、むずっ。普段、適当に袖を通してさえいればいい服ばかり着ていたので新鮮だった。
・15:50
メイクは一人ずつということで、先に僕がやることに。メイクの工程を説明してもらいながら、自分の顔が作り替えられていくのを楽しんだ。
下地とファンデーションがめちゃくちゃ強かった。ヒゲの剃り跡や肌の細かいくすみなどを完全に覆い隠すにとどまらず、肌を綺麗な色に仕上げてくれた。ダイジェットで全部しばいたあとに羽休めでTODするサンダーみたい。
びっくりしたのは目へのメイクの複雑さと凝りよう。メイク時間の半分くらい目を改造するのに使われてた気がする。実際、目元のメイク前は晩年のフレディ・マーキュリーみたいな感じだったのが、メイクが完了した途端かなり女の子になっていた。目は見違えるほど印象を変えてしまう、顔の中でも最重要パーツであることを思い知らされた。
(最後のレコーディングに臨むフレディ・マーキュリー)
・16:30
メイクが完成した。化粧台の鏡に映る自分の顔は、完全に女の子だった。姿見で全身を確認する。どこからどうみても女の子。思わず「スゲー!」と声が出た。どこからどうみても女の子の姿なのにキモい男オタクの声が出ている。なんだこれ。
鏡には確かに女性が映っている。しかしそれを動かしているのは男であるはずの自分だし、声とかめっちゃキモい。これがバーチャル美少女受肉ってやつですか…?
女装が完了したあとは写真を撮った。自撮りもたくさんしたし、スタッフの方にカメラでも撮っていただいた。
(自撮り注意!)
後輩がメイクされてる横でめっちゃ自撮りした。マジで楽しい。女の子がありえない量の自撮り撮るのも分かる。化粧した自分は別人に近いというか、変身した姿だ。自分の憧れに近づいた姿なので、そりゃ撮るのも楽しい。あと女子の自撮り角度が人によって一定な理由も解った。盛れる角度がある。色んな角度で撮ると、明らかに他と違う角度がある。
(これは違うね)
あとハズレの角度引くとお笑い芸人みたいな感じになってしまっていた。
(金属バット 友保 今年はM-1決勝行ってくれ…!)
参考画像
・17:30
後輩のメイクも完成した。本人の希望通り(?)おとなしめで優しそうなお姉さんがそこにいた。正直、マジでかわいい。あとスタイルが良いから全体的に映えてる。コイツ、つええ…。なりたい理想像が明確なせいか、女性らしさ、どことないたおやかさを感じた。
僕はめちゃくちゃ可愛かったが、キャラ付けされてないアニメキャラの原画みたいな感じだったかもしれない。
二人での写真も撮ってもらった。色んなポーズで撮っていくうちに「なんかこういうの、ClariSの宣材写真にありそうですねw」と冗談を言ったら、撮っていたスタッフが「ClariS…昔は好きでしたが…今はもう変わっちゃいましたね…」と遠い目をしていて、ほんのり地雷を踏んでしまった感じになりました。誤解だったらすみません。
18:20
散々写真を撮り、満足したところで後片付け。メイクは自分で落とさなくてはならないらしくかなり苦戦した。クレンジングをし、メイクを落とす。雑に洗ったら目の窪みに溶けた下地の汚れなどが溜まってしまい、完璧に全部洗い流すのは大変だった。
メイクを落としたあとは本当に魔法が解けたような気がして少し茫然とした。会計を済ませ、後輩もメイクを落として帰ってきたところで少し元気を取り戻し、スタッフのお二方に感謝を述べてサロンをあとにした。
最後に梅田でつけ麺を食べて終了。ラーメンという男オタクの象徴みたいな食べ物でも食べないと、鏡の中のワンダーランドから帰ってこられない気がした。つけ麺はめっちゃ美味かった。
【選出】(写真注意)
基本選出の角度
横顔は輪郭が出ててあんま盛れてない
やまびこホーン、ボス、クロスフュージョンテクノバスターで対戦ありがとうございました系ポケカ女子
【後語り】
本当に楽しかったし、非常に満足しました。女性になろうとする過程で、自分の肩幅が思ったより広いことや脚が筋肉質なこと、輪郭がかなり男性的なことなど、いままで意識してこなかった自分の姿が見えてきました。ヒョロガリとはいえやはり身体つきは男だし、男でいる自分のほうが素に近いなと改めて感じました。俺は、男だった。
ただ女装した姿も自分の一面かもしれないと感じました。かなり自然に女装した自分を受け入れられたし、また女装したいなという気分にもなりました。俺は男で、女で、ポケサーのオタクだ!(最悪のココ)
【Special Thanks】
女装先駆者であるぼんこふさん
一緒に女装してくれた後輩(渚沙)
こんな意味不明の文章を最後まで読んでくれたあなた
レンタルチーム貼っておきます
https://reserva.be/cottonosaka