ラティクチを諦めるな

れみ(@lemi_irym)の構築記事、随筆、草案など

【ND最終1676-55位】青緑ジャイアント【ボルシャック・メビウスカップ】

れみと申します。よろしくお願いします。

ジャイアントはデュエプレ13弾で私が最も愛用しているデッキで、1ヶ月かけてかなり調整しました。その上で私がたどり着いた暫定の結論と、採用候補カードや枚数についての持論を述べたいと思います。

これがメビウスカップで使用したリストになります。

レート1676で最終レジェンドに残れました。
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確定カード

(隣の数字は最低限入れたい枚数)

フェアリー・ライフ(4)

【緑2コスブーストのカード】(4)

西南の超人(4)

剛撃妖精ユキハナ

剛撃電磁サイバゴン(ユキハナ、サイバゴン合わせて4以上)

怒流牙 サルトビ(3)

神龍バイケン(2)

【スパークなど範囲タップの類】(3)

大神秘アスラ(2)

神羅トルネード・ムーン(2)

剛撃戦攻ドルゲーザ(4)

終の怒流牙 ドルゲユキムラ(2)

 

この時点で計34枚になっているが、個人的にこれ以上これらのカードは減らせない。各カードに対しこの枚数が少なくとも必要であることを以下で説明する。

 

確定カード解説

略称を多用する。

  • ライフ、初動8

前提として、ジャイアントデッキの核はキリノにある。キリノのおかげで、大型クリーチャーの早期着地や他のデッキでは有り得ない大量展開など、到底受けきれない動きを実現し、押し付けることができる。したがっていかにキリノを出せるか、キリノからクリーチャーを展開するかが、ジャイアントデッキの要となる。そのキリノを3ターン目に出せる恩恵はあまりに大きい。キリノが3ターン目に出せればドルゲーザは4ターン目に出せ、5ターン目にはジャイアント複数展開からユキムラを出してリーサルを組むことすらできる。

つまりキリノ3ターン着地はジャイアントデッキの出力を大きく上げるので、そのためのフェアリーライフは(先攻)2ターン目に76%以上で引ける8枚は必須なのだ。7枚にすると件の確率が71%になり、やや心許ない。ポケモンで言えば雷や暴風の当たる確率など信用できない。アイアンテールも別に信用はならないが、麻痺したポケモンが痺れない前提で動く人、氷が溶ける前提の人は多いだろう。そういうことです。

 

上で随分説明してしまったがこのデッキの核だ。間違っても4枚から減らしてはいけない。枚数に上限がなければ6枚入れたい。

 

  • サイバゴン、ユキハナ

この2枚は4コストのジャイアントとしての価値が高い。キリノと同じ4コストということは、キリノを引けなかった場合でも、キリノのために8枚も入っているブーストが無駄になりにくいということだ。回してみると実感できるが、ジャイアントはキリノを出せた場合と出せなかった場合のデッキの出力に大きなギャップがある。雑な構築とプレイでは、キリノを3ターン目に出せなければ負け、というお粗末なデッキになってしまう。このキリノ依存を緩和するために、同じ4コストで繫がるジャイアントは重要なのだ。少なくとも合わせて4枚は入れたい。

個別の話をすれば、ユキハナはcipの1ブーストとキリノの軽減を合わせると1コストで出せるので、大量展開の種や、進化元として非常に優秀だ。ライフ→ユキハナ→アスラ→ドルゲーザ、バリアントバデスのように繋がるのも含め、キリノに次ぐ初動として重宝される。ライフ→ユキハナ→キリノ+4コスジャイアント、など様々なパターンの動きができる。

サイバゴンはその時々で必要なカードを引っ張り出せるので、4ターン目よりは後半の展開や坊主めくり(コントロールとの対決でお互い手札0からデッキトップ勝負すること)で強い。キリノドルゲーザ→サイバゴンでサイバゴン回収→サイバゴンでユキムラ回収→ユキムラ召喚 など、ユキムラを出したい場面で活躍する。ただ、マナが伸びないので、2→4の動きとしてはユキハナに劣る。一応、5コストのカードを持ってこれるので悪くはない。地味に貴重な青マナであることも踏まえ、1枚は入れたいカードであり、サイバゴンでサイバゴンを回収する動きが強いので3枚あると嬉しい。

 

  • サルトビ

トリガーで出てくるジャイアントかつブロッカーであることが最も大きな採用理由。サルトビがいないと正直速攻やビートダウンは相手にできない。サルトビからバイケンを出すのが強いのは自明だが、サルトビの上にアスラを乗っけたり、ブロッカーとして立ててサファイアをブロックしたり、山札を掘りすぎてライブラリアウトしがちなジャイアントにおいて山札を消費せずにリソースに還元できる性能はジャイアントデッキに大きく噛み合っている。フェアリーライフを2ターン目に唱えた場合、それで墓地に行ったライフをサルトビでマナに送り、7マナでシンパシー込みでドルゲーザを召喚できるのも噛み合っている。

優秀なカードだが、4枚必要かと言われると怪しい。微妙に手出ししにくいのと、多色が濁ることとを踏まえ、必要枚数は3で4枚あれば十分、という感じだ。

 

  • バイケン

ドラムトレボール→バレバイの最速バレバイを防ぐ役割がある(バイケンのバウンスでナイトマジックが発動せず、ハンデスをくらわない)。サルトビと合わせて防御トリガーになる。貴重な単色青マナである。様々な要素がジャイアントと噛み合っている。

Bロマなど中速相手はサルトビバイケンの計3打点を絡めないと勝てない場合も少なからずあり、ジャイアントには必要なカードである。しかし頻繁に手出しするカードではなく、手札に来てもマナに置かざるを得ないことが多いカードなので2枚が必要十分だろう。

 

  • 【範囲タップ】

防御としてはもちろんのこと、大量の打点を並べたあとブロッカーに邪魔されることなくリーサルを組むために必要なカード。ドルゲーザの返しで困るデリンダーや、ライゾウのロマネスクなど、地味に出されて困るブロッカー対策のカード。パワーが高いクリーチャーが横並びするので、盤面処理としても優秀。

また、アスラでスパークを埋めて殴りに行く動きが強い他、そもそも盾のスパークお祈りで捲りに行く試合も多く、3枚は必要。

スパークからバリアントバデスでカウンターする動きも強く、進化クリーチャーの進化速攻がしやすいこのデッキにおいては攻防一体のカード。

セレストは打点を兼ねられる軽いスパークのような優秀なカードで、好みで1-2枚入るカードだ。

 

  • 大神秘アスラ

キリノ、ユキハナからつながる、単純に強いカード。マナ、盾、手札1枚ずつ拾えるのはただただ強い。

ビート対面の要である。アスラで盾とマナを増やしながら殴りに行くことで、相手がこちらを突破するために必要な行動回数・クリーチャーの数をこちらが上回り、先に殴り切ることができる。特に速攻、青単はアスラをトンカチできないため、アスラを押し付けていけば勝てる試合が多い。本当は3枚必要だと強く訴えたいが、ジャイアントの権威(と僕が勝手に思っている)ロンリー氏がアスラ2の構築を使用していたため、必要枚数は2としておく。しかし、アスラがいるだけでトリガーへの依存を大きく緩和できる(先攻なら黒緑相手にノートリで勝てるレベル)ので、この記事を読んでジャイアントを使ってみようという方は是非3枚採用してほしい。なんなら4枚でもいい。

 

  • トルネードムーン

ブロッカー相手にゴリ押しが効くフィニッシャー兼、羅月が中盤の繋ぎになる、これまた単純に強いカード。後述のユキムラが多色で濁りやすい問題を羅月のマナ回収能力が補ってくれる。

多色ではないユキムラとして強い。ユキムラと合わせて、マナを手札のように扱えるようになる点が器用な動きと各枠の圧縮を担っている。

また、トルネードムーンの最も優秀な点はサブプランとしての5ターンキルの実現だ。本来はライフ→キリノドルゲーザ→ユキムラ、というブン回りからしか実現しなかった5ターンキルを、ライフ→キリノ→(4コスジャイアント)+羅月、羅月1点→ルナティック進化、4点+キリノでトドメ という形で実現できる。

高速化する環境についていくための動きであり、キリコやライゾウなどトリガーの厚くないデッキに轢かれる前に轢ける要素は重要。 

羅月を絡めた動きは強く、この再現性のためにも2枚は必要。1枚だとマナに落ちたトルネードムーンを回収できなくて萎える。

 

クソデカガトリンガー。シンパシー込みでキリノの次に出るのが強すぎる。自身がアースイーターであり、アースイーターの分もドローできるので、複数体出したときのドロー枚数がバグる。

コントロールドルゲーザのせいでジャイアントにあまり勝てない。さすがにリソース差がつきすぎる。打点としても優秀、盤面の並んだ終盤は2コスで出せる、大量ドローからユキムラでマナを伸ばすなどジャイアントの強い動きを直接担う。これを4枚入れないデッキはジャイアントではない。

あまりに喋れる内容が多すぎるので割愛するが、いかにこのカードに繋ぐかがジャイアントの扱いの上手さを分けると思う。ユキハナを多く採用したい理由の一端もここにある。

 

  • ユキムラ

フィニッシャー。こいつはG0に制限がなくても別に1体で十分。多色で濁ること、ほぼ最後の詰めにしか出さないこと、しかし詰めでは必ず出したいことから2枚が必要十分と考える。トルネードムーンを入れない場合はマナから回収できないので盾落ちをケアして3枚入れてもよいだろう。しかしユキムラが濁って邪魔に感じることは多いだろう。

ちなみにジャイアントを使い始めるとこいつのパワー上昇がいかに有難いかが身に沁みる。13000はサファイアにすらトンカチされてしまうが、17000はよほどトンカチされない。安心感が違う。

 

 

 

 

候補カード

次に、この34枚に何を足せば十分かを考える。上の構成カードの枚数を増やすか、候補カードを数枚入れるか、となる。

候補カードは以下の通り。

【9枚目以降の初動】

【アクア・サーファー他、シールドトリガー】

【大宇宙シンラなどその他の進化クリーチャー】

【マナ進化クリーチャー】

【ギガボルバなど固有の動きをするカード

メタカード】

 

 

最初に述べた34枚さえ入っていればジャイアントの動きは担保されるので、あとはプレイや好みで任意のカードを入れる。

私のリストはこのようになった。


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このリストには上で述べた候補カードは殆ど入っていない。サーファーすら0枚だ。こうなった経緯を説明する。

また、初動カードは一般にはホッピルッピなどフェアリーライフに近い挙動のカードが好まれるが私は幻緑の双月を採用している。この理由も合わせて説明する。

 

まず上のリストは一般のジャイアント構築及び前述した必要枚数に比べ4コスジャイアントがやたら多い。これは、キリノを引けなかった場合でも勝てるような工夫だ。

ジャイアントというデッキはキリノを出せたら結構勝てるのだ。しかしキリノを出せたら勝ち、出せなかったら負け、では高々61%(先攻4ターン目にキリノが引ける確率)でしか勝てない。これは最終に残れる最低勝率66%には及ばない。ジャイアントで勝率を高めるためにはキリノ以外の強い(少なくとも弱くない)動きが必要だ。そこで、私はそれをユキハナ→アスラ、サイバゴン→ユキハナorサルトビ→ドルゲーザ、という他の4コスジャイアントからの展開ルートを増やすことで実現することにした。トリガーやメタカードの枠は潰してしまったが、後述の通り、この枠を潰して4コスジャイアントを増やしたほうが勝率が上がると判断し、事実このリストにしてからかなり勝てた。

 

 

 

  • 【9枚目以降の初動】

このデッキはいかに3ターン目にキリノを出せるかが大切ゆえ、初動の確率は可能な限り高めたいと思うのは自然だ。

しかし私は9枚目以降の初動は

・後々引くと弱い

キリノが引ける確率は変わらない

・3ターン目にキリノを出せても、他のジャイアントを引けていなければ弱い上、初動を増やすことはジャイアントを減らすことに繋がる

など弱さのほうが目立つと考える。そもそもフェアリーライフはカードとして強いわけではない。"2ターン目にブーストする"という事象が強いのであって、デッキに9枚も弱いカードを入れたくない。ブーストしてキリノ出しただけして満足したいわけではない。

しかし初動の枚数は非常に難しい問題だ。弱いカードをたくさん採用したくはないが、初動を引けなかったせいで負ける試合も減らしたい。そこで、私の出した解決策は、

「弱くない初動を採用し、計8枚にする」

ことだった。8枚の初動が確率的にギリギリ許容のラインであることは先に述べた。その上で、この8枚が汎用性を持って使えるカードであれば、自然に8枚採用できる。

ここで私が目をつけたのがムーンナイフだ。ムーンナイフは2コスでブーストが出来るクリーチャーで、場に残る。打点なのでいつ引いても最低限の仕事をし、速攻相手は小型と相打ちが取れる。また、羅月の進化元にもなれる。さらに言えば、ムーンナイフ→キリノorユキハナ→ムーンナイフを羅月に進化、一点→ルナティック進化、4点でリーサルにいける。3ターン目はユキハナでも良いので、キリノに依存せず5ターンキルが出来る。語りきれないほどの強みのあるクリーチャーで、これならライフと合わせて8枚無理なく初動が採用できる。すなわち、ムーンナイフが十分に強いので、初動のカードを弱いからといって減らす必要がなくなる。これが私がムーンナイフを採用した理由である。初動の枚数を自然に確保できるのだ。

 

  • 【シールドトリガー】

トリガーを使いたい場面は主に殴ってくる相手だ。特に速攻対面だろう。ジャイアントは速攻がキツいイメージだったので、初期はサーファーや地獄スクラッパーを採用していた。しかし、それらのトリガーを踏ませたとて、こちらがリーサルを組むターンは5-6ターン目だ。その間に、トリガーで1ターン遅延しても間に合われてしまう。またこれらのトリガーを採用しすぎると手札に来たときに困ってしまう。

そこで思い切ってトリガーを最低限にしてユキハナを増やし、最速アスラから捲ることを目指した。こうすればトリガーの出るタイミングに依存せず、ユキハナはいつ引いても強いカードなので汎用性を失わない。結果、デッキパワーを落とさず、カードの使い方で不利対面への勝率を確保できた。

サーファーは強いカードなので採用しても良いと思っているが、私はユキハナとアスラを優先した。

 

  • 【その他の進化クリーチャー】

あまり試していないのでなんとも言えないが、汎用性の観点でアスラに優るカードはないと思っている。様々試すことは重要だが、構築としては、変なカード入れるよりアスラ増やしたほうが強い。

 

  • 【マナ進化クリーチャー】

ビシャモンやイダがこれに当たる。マナ進化クリーチャーは、その存在故に当たり前だが出せばマナが減る。キリノがいればそれでも回るが、キリノが除去された場合、このマナ減少は致命的だ。こちらのアクションが大きく縛られてしまう。ビシャモンも軽減効果を持つがこいつも除去されたら実質的なランデスを伴ってしまう。

結果、マナ進化クリーチャーはマナを減らす故にキリノへの依存度を高めてしまうので、ジャイアントデッキの勝率を高めることにならないと判断した。キリノを3ターン目に出せたららかなり勝っているので、キリノを引けなくても勝てるのが理想なのだ。マナ進化クリーチャーはこれに当てはまらない。

唯一の例外は破格の破壊力を持ち、除去されてもマナに還るバリアントバデスだ。

バデスはスパークからのカウンター、ブーストカード連打からのワールドブレイカーで5ターンキル、HDMのトンカチなどジャイアントの弱さを補って余りあるスペックをしている。トルネードムーンの22000を始めとしてジャイアントは軒並みパワーが高く、5ブレイクは容易に実現できる。パワーが60000を超えることもあり、魔弾プラスワンを繰り返し使われて増やされた盾9枚を一気に割った試合は爽快極まりなかった。キリノが引けなくともブーストするだけで出せるので、キリノを出せなくても勝てるようになるカードとして素晴らしく噛み合っている。

 

  • 【メタカード】

私が個人的に好きではないので採用しなかったのもあるが、大きな理由はジャイアントのブン回りがメタカードなんて必要ないほど強いことだ。メタカードを引き込んで活躍させられる場合はおそらくドルゲーザを出せていて、盤面やこちらの行動回数に余裕がある。そういう余裕のある回り方をしているときはどんなトリガーを踏んだって何されたってだいたい勝てるくらいの盤面になっている。ゆえに、メタカードを出している暇があるならもう勝っている、ということだ。

あと、お清めトラップをジャイアントに採用している人にだけは強く忠告したい。ジャイアントがキツいのはデスドラゲリオンの次に出てくるBロマノフだ。お清めが活躍するとすればそれはデスドラの返しだがデスドラの返しにお清めなんて打っていたらシンプルに殴り負ける。そもそも2→4でキリノを出すためのブーストなのだから3のブーストにはなんの意味もない。今すぐ抜きなさい。

 

 

 

有利不利関係

  • 5Cを始めとした軽量ハンデスの少ないコントロールに有利
  • Bロマや速攻・青単など盾を殴るデッキは五分
  • キリコやライゾウは速度負けとサファイアがキツいので微不利(ライゾウはアカギがキリノを焼くので更にきつい)
  • ナイトなどリソース回復力が強くハンデスを連打できるコントロールは不利

 

 

 

主に5CとBロマと速攻を倒してレートを上げました。

 

 

 

ジャイアントは遊戯王のような展開力があり、どの対面にも勝ち筋が追える楽しいデッキなのでらぜひ皆さん使ってみてください。

最後に、構築相談にたくさん乗っていただいたジャイアント研究会の皆さん、ありがとうございました。