ラティクチを諦めるな

れみ(@lemi_irym)の構築記事、随筆、草案など

S21シングル反省

S21お疲れ様でした。今期もなんやかんやポケモンしてたので反省記事を書きます

 

結果は最終レート2000、最終400位くらいだった。過去記録を塗り替えるために二桁やその上を目指したいところだったが、構築の完成度の低さや19帯の沼に嵌まり続けた心労など、様々な要因が重なってレート2000で満足してしまった。7世代の頃はレート2000に届かなかったので、ダイマックスに頼らずレート2000に行けて嬉しかったというのもあった。最終日前日まで1900にも行けず本当に辛かった。

 

構築はこれでした↓


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レート2003、最終365位だったらしい

画像は最終日のやつ


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構築の経緯を話したいと思う。

選出すれば確実に仕事をするザシアンとザシアンの呼ぶ物理受けに対して集中をかけられる頑丈顎ウオノラゴンを軸に、頻発するであろうミラーとメタモンに強いアッキサンダーとステロあくび吹き飛ばしで唯一無二の仕事ができるカバルドンを採用して構築の軸とした。この4匹ではデカめの特殊アタッカー(ダイナ、オーガ、黒馬…)がキツく、特に黒馬は上4匹に激しく一貫していたため、補完を黒馬に確実に勝てるよう考えた。

サイクルの動きの中で黒馬ストッパーを削って黒馬を通す構築が多く見受けられたため、対面的に動いてそれを否定するような二匹を考えた。結果、ダイナを殴れ、大抵のスカーフ枠を抜ける最速スカーフサザンドラと、影打ちで黒馬を縛れる読まれにくい襷枠としてギルガルドを採用し、構築が完成した。

 

せっかくなので単体の雑な紹介を。

カバルドン@オボン HB特化

地震/ステロ/あくび/吠える

日ネク、ジガルデ、バトン構築への唯一無二の回答であり、一致技で抜群を取れるためオボン込でザシアンにも対面勝てる。ブーツ持ちの物理受けが少なかったのでステロから崩せる展開も少なくなかった。

耐久が高く、Dに振れば黒馬に一回は動けるから噛み砕くを採用すれば砂+噛み砕くで大抵の黒馬に勝てるんじゃね!?と思ったが技構成が完結しすぎていて抜く技がなかった上、Dに振って地震を切ったらザシアンを流せなくなるのが悲しすぎたので没になった。

カバルドンのおかげで勝てた試合は少なかったが、カバルドンがいないと話にならないような試合はたくさんあり、ステロあくび吹き飛ばしの性能が唯一無二代え難かったのでずっと使い続けた。ウオノラゴンの砂かきを警戒させるのも相性が良かった。役割対象を広く浅く取るために当初はDにも振っていたが、特化ザシアンがオボン込みでも受からないと困るので最終日はHB特化になった。そのため、吹き飛ばし未遺伝の怠ける型の個体に急遽吠えるを覚えさせた形になり、吹き飛ばしでない甘えを露呈することとなった。どうせ吠えるで困ることないやろwとあぐらをかいていたが最終2位の方の構築記事に積む型の防音ジャラランガがおり、一歩間違えたらケジメで小指を詰める羽目になっていたかもしれなかった。

 

 

サンダー@アッキ 図太いH196-B252-S60

実数値190-x-150-145-110-128

放電/熱風/身代わり/羽休め

S:準速ウオノラゴン抜き

あまりHB指数最大

ミラーの詰め筋でありメタモンへの回答。単体でカバザシノラゴンに勝てるよう調整した。熱風は最初バトンタッチだったが、カバザシノラゴンに対しサンダー以外を全員切ってサンダーで吹き飛ばされないようにしながら身代わり羽休めで詰める展開を想定して地面への打点を採用した。地面に当たる技なら何でも良かったが、ナットレイが辛かったので熱風を採用した。試合時間が無限ならバトンタッチのPPの多さで頑張れたかもしれないが、生憎すぐTODされてしまうのでね。

サンダーの使い方を覚えてから勝率が目に見えて上がった。サンダーは初手ザシアンミラーでサンダーで受け出しアッキを食わせてしまうと次のサイクルでアッキがなく詰められてしまう。なので、最初にザシアンやらで11交換ないし数的有利を取り、サンダー一匹で詰められる展開を作ってからザシアンに後投げすることで、TODプランを押し付けたりすることができた。

 

ザシアン@朽ちた剣 意地H140-A252-S116

実数値 185-244-135-x-135-183

A特化、S準速ダイナ抜き、余りH

巨獣斬/じゃれ/石火/ワイルドボルト

 

構築の始点にして全選出したポケモン。技構成はミラーへの打点であり命中安定な巨獣斬、等倍範囲が広くサンダーを殴れるじゃれまでは僕の中で確定していて、あと2枠はナットへの打点(インファor炎の牙)か対面性能、ミラー意識の石火か役割破壊の氷の牙orワイルドボルトで非常に悩んだ。

最終的にはナットへの打点を諦め、対面性能が高くなる石火とeasy winを生み出せるワイルドボルトを採用した。残飯ナットレイ後投げから居座り鉄壁をやられるたびにストレスで暴れまわったが、居座ってくるヨプナットは巨獣斬で裏のノラゴン圏内には押し込め、残飯は1サイクル目は突っ張って来ないことが多かったのでごまかした。逆に、石火は本来勝てない襷マンムーフェローチェに勝てるようになってサンダー詰めプランが取りやすくなったので、この構築なら石火だったと思う。ゴツメがなくザシアンを押し込む手段がないので、微妙なS振りと石火でミラーをごまかしに行く目的もあった。

最終日戦っていて鉄壁ナットが強いこと、また強い人は鉄壁ナットを使っていたことを感じ取ったので最上位を目指すなら間違いなくナットへの打点を採用すべきだったが、レート2000までのいわゆる「雑魚狩り」(言葉は非常に悪いが、レート2000までの過程で最も頻繁にマッチングするであろうレート1800-1900のありがちな構築と洗練されきっていないプレイングの人を確実に仕留める)ためにはワイボ石火が最も強かった。例えば、僕の構築はマンムーに誰も勝てない故に初手にほぼ必ずマンムーを選出される。上手い人ならマンムーを温存して先にザシアンを削ってくるので巨獣斬+石火で落とすような事態は起こらない。したがって石火は対マンムーで本来不必要な技だが、レート1800くらいの人はほぼ初手ザシアン襷マンムー対面突っ張ってきてくれたので石火で倒し、裏のポケモンを通せた。ワイボも本来はドヒドイデ以外に必要ではない技だが、ワイボを考慮しない立ち回り(原種ファイヤー後投げ、ザシアン受けをドヒドに一任)をしてくる格下相手を狩るために採用していた。ナットへの打点を切ってレート2000に間に合わせようとしたのは間違いなく甘えであり、今後上を目指すなら「努力で勝てる相手に簡単に勝てる技」よりも「役割対象を広げられる技」を選ぶべきだった。(石火もワイルドボルトも強かったので一概に間違った選択とは言い切れないが、ナットへの打点を切ってまでこの2つを採用したのは確実に甘えている)

 

ウオノラゴン@珠 頑丈顎 やんちゃAS

エラがみ/逆鱗/流星群/身代わり

物理受け崩しとミラー対策。元々鉢巻だったが、拘り一点読みで守るトーチカキングシールドや電磁波鬼火でウオノラゴンをごまかそうとする動きが多々見受けられたので打ち分けできる珠を持たせ、ごまかしの動きに対しアドバンテージを取れる身代わりを採用した。

技構成は最大火力のエラがみ、ダイナに撃つ逆鱗、ミラー意識の流星群、前述の身代わり。

元来、ウオノラゴンミラーは龍技で拘ってしまうと裏に縛られ、エラがみだと同速のややこしさが煩わしい対面であった。これを、珠流星群によって解決した。すなわち、ドラゴンダイブより命中が安定し、一度しか撃たないのでC下降は関係なく、さらに芸術的なことに珠無補正流星群はHBカバにオボンを食べさせない。したがってカバザシノラゴンミラーのカバvsノラゴン対面で流星群が安定になる(流星群+巨獣斬でカバが落ちるので)。下降補正だとウオノラゴンが4割程度の乱数でしか落ちないので思い切ってD下降にした。Bはエラがみに受け出すために下げられなかった。

やんちゃ珠流星群は革命的な強さだったがD下降の代償は大きく、珠ダメで勝手に削れていくこともあって特にウルガモスカイオーガはしんどくなってしまった。こんな代償を払ってまでC無補正にしたのに、耐久振りやチョッキ持ちに流星群を耐えられることが偶にあり険しい顔をした。ただ、文句なしに強かった。2000チャレも身代わりと流星群でノラゴン絡みのサイクルを破壊できたし文句なしに強かった。

 

サザンドラ@スカーフ 臆病CS

悪の波動/流星群/大文字/蜻蛉返り

重めの黒馬とダイナに強く、スカーフヒヒダルマに対面勝て、ウーラオスも上から縛れ、さらに炎タイプにも後出しでき、ザシアンも半分は削れる…そんな欲張りをスカーフ枠に求めてみたが見事サザンドラが見つかった。選出画面でゴースト技の一貫を切るのはとても大切で、なぜならザシアン黒馬対面でフェアリー技を撃ってくる黒馬は一匹や二匹ではなかったし、相手も悪引きをケアしてサイクルを回してくれる。また、ヌオーが天然ならダイナヌオーに流星群が刺さり、天然でないならザシアンが通るので、珠ノラゴンと合わせて受けにも頑張れはした。

今回、構築の中に明確に受けを崩す手段を用意しなかったが、そもそも強い人の受けに勝つのはしんどい割に人数が少なく、またニワカ受けループにはその程度でも頑張れると思ったので、レートを上げるために割り切った。実際、カバルドンでステロあくびからうにゃうにゃしてたら相手がバグってサザンダイナ対面突っ張ってきてくれて流星群で落とせたり、ヌオーにノラゴンで身代わりしたら様々な勘違いからヌオーを切ってくれてザシアンが通ったりした。上位の受けと当たらなかったこともあって対受けの勝率は悪くなかった。

サザンが微妙にCが低くて色んなポケモンを削り残す(例:流星群でウーラオスが5割程度の中乱数)ので、ガルドの影やザシアンの石火で補う必要があった。

 

ギルガルド@襷 A252-C252-S4

シャドボ/岩雪崩/キンシ/影

対面からもサイクルからも黒馬を縛る最強黒馬対策であり、物理受けをそこそこ削れる。ヒヒダルマにも対面勝て、襷をタテにカイオーガもちょこっと削れる。ついでに顔がゼルネアスに強いので、ザシアンと合わせてゼルネアスが出てきにくくなる。実はこのギルガルドはゼルネアスのガン起点なので、実際ゼルネアスに出てこられたら負けるが一度も出てこなかった。同様に、白黒キュレムもザシアン以外勝てないので出てこられたら本当にヤバかったがザシアンとガルドの"顔"で牽制した。実際あんま出てこなかった。

襷キンシは矛盾しているようだがキンシによってザシアンをパクったメタモンに勝てたり、対面のAを下げて裏に繋げたり、単純にキンシを挟むことで耐える攻撃の回数が変わることも少なくなかったので採用して正解だった。

岩雪崩はウルガモスに対面勝てるよう採用した。ウルガモスはどんな対面でも蝶舞せざるを得ないことを利用して襷ガルドを無理やり後投げして処理したりもした。飛んで火に入る夏の虫とはこれ如何に

 

 

基本の軸で勝てない相手に襷+スカーフ+伝説の対面選出でがんばるという当初の目的はある程度果たせたので、補完枠はサザンガルドの2匹であっていたと思う。サザンガルドは相性補完が良く、数値が高いので時にサイクルを組むこともできたのが偉かった。

 

ザシアンは必ず投げるとして、ザシアン軸にはカバサンダーノラゴンから二匹

黒馬にはサザンガルド

日ネクにはカバノラゴン

ダイナにはカバサザンノラゴンから二匹

オーガにはサザンノラゴン

ジガルデにはカバノラゴン

など、選出をほぼ固定化できたので最終日に選出の苦労を少し減らしてたくさん戦う事ができた。それでも負けすぎて頭おかしくなりそうだったけど…

 

 

ザシアンはそのスペックからどのパーティにおいても対策される筆頭であり、ザシアンを使う者は相手の対策を掻い潜る技量が求められる。しかもその対策にはゴツメ静電気炎の体などザシアンの行動ターンに後投げするだけで成立してしまうものもあり、またザシアンを握る人の多さから多くのプレイヤーは対ザシアンの経験値を積みやすいことから強気な読みを通されることも少なくない。

しかし、ザシアンは対禁伝において不利対面が最も少なく、ゼルネアスやキュレムなどザシアンを採用するだけで最低限の対策になってしまうポケモンも数多く存在する。また、ザシアンはザシアン受け以外と対面したときの圧力が凄まじく、釣り交換まで考えると常に相手に択を押し付けられる、すなわち相手に強気な読みを強いるポケモンである。それに加え耐久が高いので選出すればとりあえず一回動いて相手を削ることができる。などなど、まさに王たる圧倒的な力を持つ。この異常なパワーの高さは他に追随するポケモンがおらず(これは嘘で、ムゲンダイナはガチでヤバい)、散々メタられたとしても尚採用する価値のあるポケモンである。

僕はダイマックスシステムがとても好きで、その理由の一つにダイマックスすれば一回は必ず行動できるから、というものがある。一回行動できれば何かが起きるので、その行動によって引き起こされた試合の状態変化を確認し、それに応じて自分の動きを考えられる。僕は遠い未来の予測より近い未来の様々な可能性を探る方が得意であり、したがって一回必ず強めに殴れる珠ダイマックスポケモンやザシアンは非常に好きだ。反面、対策枠を削って将来的にエースを通していくのは苦手で、したがって黒馬を使うのは本当にダメだった。自分の実力を伸ばすためには様々な構築の練習をしなくてはいけないが、勝つためには得意を伸ばす方が良い。この傾向を自分で把握しておいて来期以降の構築に反映させたいと思う。

ムゲンダイナも(ほぼ)必ず一回動けるポケモンなので、来期もやるならダイナ触りたいな…とも思う。もちろんスーパーロングリソース管理ゲーミングもいつか手を出してみたいなとも思う。

 

最後に、今期2000に載れたのは間違いなくアドバイスを下さったギンさんとめろさん、一緒にポケモンしてくれたサークル員のおかげであり、彼らに最大の感謝を記して記事を締めくくりたいと思う。本当にありがとうございました。